発芽のコツ

2022/12/15

【タネの発芽】

 タネの発芽には、温度、水分、光が関係します。

1. 温度

 タネにはそれぞれ発芽に適した温度があり、温度が低すぎても高すぎても発芽しにくくなり、場合によれば発芽しません(※発芽と温度の表参照)。ビニールハウスなどの施設があれば温度はコントロールできますが、そうでない場合は、播く時期に十分注意して下さい。品目によっては、冷蔵庫で3週間冷やした方が良いものや、30℃以上でないと生えにくいものなど、いろいろなものがあるので注意して下さい。

2. 水分

 タネは、適切な温度のもとで水を吸収することで発芽の準備をします。通常は、はじめに根が出て、この根が成長して芽を出します。このため、「根」が伸びて生育できるような所(土などに)種まきし、芽が出てくるまでは十分に水やりします。ティッシュなどで水分がタップリあれば、芽は出てきますが、その後の生育は難しいです。土などに播いて薄く土をかぶせます。その後発芽までは、1日1~2回水やりします。細かなタネはティッシュをかぶせて霧吹きで、一般のものはジョロなどで水やりします。ニンジンやほうれんそうなどは、水につけてから土に播くのも1つの方法ですが、水に漬けすぎるとタネが窒息するので注意して下さい。

3. 光

 タネの大きさの3倍くらいが目安で、発芽に光の好むものは薄めに、嫌うものは少し厚めに土をかぶせます(覆土といいます)。

4. 土

 一般に販売されている土は、

  • ピートモス
  • 真砂土
  • 肥料

 が、混合されています。ピートモスは乾燥してしまうと水を吸収できなくなってしまうので、市販の種まき土などを利用されるときは、この点を十分に注意して下さい。
 「ぐっと握って団子状になり、ポンと突くとパッと割れる土」が良い土です。このような土になるよう努力して下さい。

5. タネ播き

 タネ播きには、点播き、条播き、散播きといろいろな播き方があります。

① 点播き
5~30cmで土に浅くくぼみを作り、3~5粒ずつそれぞれのくぼみにタネを播き、土をかぶせ、生え揃うと良いものをそれぞれのくぼみに1本残し、それ以外を除去します(間引き)。
生育に応じて順次さらに間引きを行い、適切な株間にします。

② 条播き
土に浅く線を引き、その線にそってタネを播きます。覆土を行い、生育に応じて順次間引きながら利用します。

③ 散播き
全体的に重ならないようにバッと播きます。

 株間の必要なもの(ダイコンなど)は点播きが、ベビーリーフなどあまり株間の必要でないものは、条播き散播きで播いて下さい。

6. 抽苔

 植物は、ある条件で花を咲かせる準備(抽苔)をします。
 タマネギは、大きな苗を植えると葱坊主だらけになり、ロケットやミズナを2~4月にハウスなどで種まきすると、背の低いままで花の準備をします。条件は品目によりそれぞれ異なりますので、十分に調べて、品目やタネまき時期、植え付け時期を決めて下さい。